先週、初めての自治体の法律相談会を終えました。前もって出来る限りの準備をして臨み、司法書士として知りうる限りのことをお答えはしましたが、あまり満足のいくものではなくて、しばらく落ち込んでしまいました・・。
ほとんどが相続についてのご相談でしたが、一番悩ましかったのが税金との絡みです。
司法書士は税金については専門外になりますので、「税金のことは税理士さんに聞いてみてください」としかお答えできる立場にありません。事務所によっては、司法書士は税金のことは聞かれても答えてはいけない、とするところもあるようです。
しかし、税金の負担を少なくするためにどのような生前対策をしたらよいか、どのような遺産分割をしたらよいかなど、相続の問題は税金と切っても切り離せないものです。私が相談者の立場だったとしても、トータルアドバイスを求めたいと思うはずです。
というわけでまだまだ勉強の日々は続きそうです^^;
税金については、このブログで詳しく書くことはできませんので、参考図書のご案内だけにとどめておきます。(決してアフェリエイトではありません)「不動産税額ハンドブック」に載っている知識は最低限押さえたいところです。
また、色々な事情を抱える方の何が解決すべき問題なのかを整理する力も足りていないと感じました。
一概に相続といっても、さまざまな問題点があります。
“遺言書を作成したい”といっても、自筆遺言なのか公正証書にすべきなのか、遺言執行者は誰を指定したらよいのか、遺留分はどのように配慮すべきか、など。
“親の認知症が心配”といっても、任意後見なのか法定後見なのか、家族信託が必要なのか、遺言書を作成しておけば済むのか。
“相続放棄をしたい”といっても、特定の財産のみの放棄なのか、すべての財産についてなのか。それにより遺産分割なのか家庭裁判所への申述なのかの手続きも変わります。
解決方法は一つではなくて、複合的に組み合わせていくこともあります。まさに‘オーダーメイド’の解決法を提案できる司法書士が理想的です。
ちなみに、自治体の法律相談会は大抵お一人30分程度です。込み入った背景事情をヒアリングしているとそれだけで時間が過ぎてしまい、お答えする時間が10分程度、なんてこともありました・・(もっと手際よくご相談者のお話を整理するべきでした)
ただ、よくよくお話を伺うと、明確に解決できるものばかりでもなくて、共感や同意、後押しを求めていらっしゃるのかな、というケースもありました。そのような場合には、できる限りその方の立場に立って寄り添ったお答えをすることが満足につながるのだと思います。
どのようなご相談でも、やはり最後は「わかりました。ありがとうございます。」という言葉を引き出せなければ、お役に立てたとはいえません。こればかりはより多くの経験を通して鍛錬するしかなさそうです。
また来月、再来月と事務所主催の無料相談会に同席することになりましたので、多くの方にお会いできるのを楽しみにしています。